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18日目 設楽ダム予定地視察
18日目 設楽ダム予定地視察

昨日のゴール地点から設楽ダムまでは、だいたい23km程の行程です。
朝、高森さんの奥さんからおむすびの結び方を教わってお昼ご飯を作りました。
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「森のイスキア」で有名な佐藤初女さんのおむすび講習会を2回も受けられているそうで、その丁寧で気持ちのこもったおむすびにみんな感動!
あまり水を使わず、塩をまんべんなく手のひらに伸ばし、手のひらでゆっくり祈りながら、丸い太鼓型のような形のおむすびに握ります。
海苔で、まわりを包み込みタオルに巻いて保存しておくと、次の日でもおいしいのだそうです。
いいにおいがキッチンにたちこめます。
中に入れた梅も奥さんが漬けたもので、なんでも手作りでされている生活って、本当の意味ですごく豊かだなぁと実感します。

旧名倉中学校の中を見学。
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素敵な校舎はまだまだ使えそうですが、統合されて今は使われていないそうです。

ダムの建設予定地へ向かう道。
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この緑でいっぱいの場所も、
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美しい清流も
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ダムが完成すれば、沈んでしまいます。
設楽ダムは本当に必要なのだろうか?

高森さんや現地の方々からお話を伺いました。
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30年以上前に立ち上がったこの計画当初は夏場に断水になることもあったそうです。
しかし、2001年に完成した「豊川総合用水事業」のお陰で豊川に出来た宇連ダム、大島ダムの2つのダムや、渇水の時は天竜川から引いてくる水で断水になることは最近はないのだそうです。
そしてデータを計算すると、豊川総合用水が供給する水量計画は年間3億8千万m3ですが、現在の用水供給実績は年間2億7千万m3です。
つまり年間約1億m3の余裕があり、また最近30年間水消費もほとんど変わっていないので今後水が更に必要になることも考えられません。
つまり水は凄く余っているのです。
また、大島ダムは、完成後貯水率80%を切ったことがないという事実からも、新たなダムは必要ないのだそうです。
その中で作ろうとしているのがこの設楽ダムなのです。

豊川はいくつかの支線にわかれていますが、この予定地の流れの方には、まだ一つもダムがありません。
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そのお陰で、きれいな水がそのまま三河湾へと流れています。

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この綺麗な水には天然記念物の「ネコギギ」というナマズ科の魚さんも住んでいますが、もしダムができてしまったら、生息は不可能です。

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予定地は緑豊かで美しい場所ですが、ダムを作るには本当に小さな場所で、ここにダムを造ることになるとかなり深くしないと貯水量がなく確保できません。

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その為にこの場所に130mもの巨大なコンクリートの壁をつくるのだそうです。130メートルといえば、だいたい26階建てのビルと同じくらいの高さです。

また、ダムを深くすると、その壁面の土が水に溶け込み、その養分が腐ることによって、豊川全体の水質が変わってします。
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それがひいては、海にいるスナメリなども住めないような環境にしてしまう。
また、ダムを作ることによって砂が運ばれず、砂浜もなくなってしまいます。

予定地の山は断層が重なっている関係で、斜面がもろく、工事も容易ではありません。
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明らかにダム建設に適している土地ではないにもかかわらず、こうした計画が進められてしまう背景は、難しい場所ほど計画が難航し、何十年も工事が続き、その分、長期に予算が出るという国交省の目論みが原因にあるそうです。時代や環境が変わっても見直されない古い計画が日本中にあります。
普通に考えれば、必要もないものを巨額の予算をつぎ込んでつくるなんて、理不尽そのものです。

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木に巻いてあるピンクのリボンはダムでこの土地が沈んだら失われる森林財産を国が買い取る為の目印なのだそうです。
このリボンをしてあると後で山主にお金が入ります。
そんなこんなで地元も、ダム建設賛成派と反対派に分かれています。
ここでも図式は同じです。
国や地方自治体やゼネコンが開発計画を立て多額のお金をつぎ込もうとしています。
地元の自然を守ろうとする人たちと、御金欲しさに開発を受け入れる人たち。
その開発は自然を破壊します。破壊した自然は二度と帰ってこない。すさまじい犠牲を伴うのだから、本当に深く考え、本当に本当に必要ならダムも必要なのかもしれません。
ですが、この設楽ダムはどう考えても必要ない。

そして、その設楽ダムの計画に費やされるお金は税金です。ここでも僕たちが知らぬ間にこの環境破壊をサポートしているのです。
僕達は知らなければなりません。僕たちがしていることなのだから。
人の心の貪欲さと無知が自然を壊しているのは、この設楽ダムにしろ、原発にしろ、共通している問題です。

とにかく今はこの美しい自然を目に焼き付け、この自然を讃えようということで皆で祈りの歌を歌いました。
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この自然を壊してはいけない。この自然の中にいることは喜びだから。
自然を壊してはいけないことを伝えると同時に、もっと強くこの自然の美しさと豊かさを伝えたい!


お昼に、ダム予定地できれいな水をみながら、おむすびをいただきます。
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ほんとうに、おいしい。

その後は、ブナの原生林へ。
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植林された林と違って、光が入り下草もはえていて気持ちがいい。
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夜は、高森さんが仕留めたシカ肉でバーベキューです。
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昔は祭事やお祝い事でしかお肉は食べませんでした。
都会生活でのスーパーでパックに入ったお肉では、その命の重みが感じられにくいかもしれませんが、動物をいただくということは、本当に大変なことです。有り難い気持ちで、ごちそうをいただきました。

夕食の後は、地域に住む高森さんたちのお友達も加わって、たき火を囲んで音楽とトークサークル。
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この自然豊かな土地に住むと、コンクリートに囲まれた都市にいることに違和感を感じると一人の方はおっしゃっていました。

圭帆くんは、たき火を見ながら「どうして、こんなに美しいんだろう?」ということを考えていたとシェアしてくれました。
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この薪も、3年とかの年月をかけて枝になり、そのいのちが一瞬に燃えて、光を放って、私たちを暖めてくれている。
一瞬の中に、無数のいのちが与えてくれているからではないか。

1日かけて歩いた30kmの道のりも、車で行ってしまえば1時間とかからない。
でも、ガソリンは、古代からの何万ものいのちがつくってくれたもの。
そうやって、便利で早くできるのは、いのちを燃やしているからなんだと思ったと言っていました。


自分が見えているもの以上に、世界はつながっている。

高森さん家族があたたかく迎えてくださって、本当にいろいろ学び、感じることができました。
ありがとうございます。
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高尾山でのウレシパモシリも無事終わり 次は名古屋でのCOP10です!
今度はCOP10でつながろう! | チホさん家 はっぱろーれん | 2010/10/04 20:20